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ナレーション有 48 神田日勝《室内風景》

イヤホンをつけてお聞きください。

音声解説

神田日勝《室内風景》


最晩年に描かれた《室内風景》は、日勝の画業の集大成と位置づけられています。
隙間なく新聞紙が貼り巡らされた異様な空間で、うずくまる男の姿が、強烈なインパクトで迫ってきます。
周りには、人形や時計、魚の骨やリンゴの皮など、互いに全く無関係なものが散らばっています。これらのものは影が描かれていないため、現実感がなく、画面全体に漂う不安な印象を強めています。
新聞の見出しには「米不介入を強調」や「動き出す原子力発電」など、当時の時事問題が取り上げられています。広告の一部は実際に当時の新聞に掲載されていたものだといいます。
ボクには、押し寄せる時代の波に閉じ込められてしまったこの男が、日勝自身のように思えてなりません。みなさんはどうですか。
この作品を完成させて間もなく、日勝は病のため32歳の若さでこの世を去りました。凍てつく北の大地に根を張ろうと懸命に立ち向かいながら、孤独に創作を続けた神田日勝。その真情が、絵の中の男の姿に映し出されているように思えます。

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